【消防ドローン】風水害・土砂災害現場を変えるドローンの力ー前編ー

近年、気候変動などの影響により風水害や土砂崩れ等の災害が頻繁化・激甚化しています。一方で災害対応に当たる消防隊は人手不足という問題を抱えており、限られた人員の中でより迅速かつ効率的な活動を行うことが求められています。そんな中、注目を集めているのがドローンです。ドローンは様々な場面で消防活動を支援するため、人手不足を補う有効な手段として知られています。本コラムでは、風水害・土砂災害対応でドローンがどのような任務を担い、どのような効果を発揮するのかについて詳しくご紹介します。今回はその前編として災害の現状やドローンの活用法についてご紹介します。災害による深刻な被害が各地で発生している今だからこそ、ドローンの導入・運用について考えませんか?ぜひ最後までご覧ください。


風水害・土砂災害の現状

1999年から2022年までの24年間に自然災害に自然災害で亡くなった方のうち、約4割が水害、約4割が土砂災害によるものでした。こうした災害では車や人が簡単に流されてしまうため、消防職員を含め住民は自身の安全を最優先に行動することが求められています。そのため、災害現場は一刻を争うため迅速に救助活動を行いところですが、無理な救助や行動は避けなくてはなりません。こうした状況を改善する手段の一つとしてドローンは有効的だと考えられています。では、どのような方法でドローンを使用できるのでしょうか。本コラムではドローン活用法について4つの場面に分けてご紹介します。前編のコラムではその中の2つの方法に注目してご説明します。ぜひ後編コラムと合わせてご覧ください。


①災害現場の状況把握

河川の氾濫や土砂災害が発生した場合、刻一刻と災害現場は変化します。消防隊員は現場の情報をいち早く把握したいところですが、災害現場は危険性が高く二次災害の恐れもあるためすぐに近づくことはできません。
ドローンを使うと災害現場の情報収集を空から行うことができます。災害級の悪天候の中、無理にドローンを飛行させることはできませんが、気候が安全になり次第ドローンなら即座に現場に向かわせることができます。人がすぐに到着できない場所も、人が立ち入れないほど危険な場所も、空撮することによりドローンの映像から災害による被害状況を把握することができます。ドローンのカメラ映像はリアルタイムで映し出され、リアルタイム伝送システムを使用すると現場外の場所にも共有することができます。広範囲の映像から、一部に着目した詳細映像まで自由自在に操ることができ、ほしい情報をほしい時に取得することができます。
このようにドローンは災害現場の情報収集において力を発揮しますが、以下のようなドローン機能や搭載機器を使用することでより効果的に任務を行うことができます。

・投光器(照明)
  夜間の災害現場は昼間に比べて視界が限られてしまいます。照明を使いたいところですが、足場が悪く地面に照明を設置できない場合が多くあります。そんな時にドローンを使用することで状況を改善することができます。ドローンは機体に照明を搭載させることができ、照明に特化したドローンも存在します。こうした機体を使うことによって、視界不良な現場に光をもたらすことができます。特に給電式の照明に特化したドローンを使用すると、ドローンが24時間継続して運用できる空飛ぶ照明装置となり、ドローン1機でかなりの広範囲を照らすことができます。

・ナイトビジョンカメラ
 ナイトビジョンカメラは周囲に光がない状況でも映像全体を鮮明に映し出すことができます。そのため、投光器の代替や補助として使用することができます。夜間における広範囲な視認が可能となり、より効率的に夜間の活動を行うことができます。

・赤外線カメラ
 赤外線カメラは周囲の温度差や熱源を感知することができ、目視では確認できない対象を捉えることが可能です。この機能を使うと、山林や崩落した建物、暗闇の中でも情報を収集することができます。一方で、赤外線カメラは一般的なカメラと比べて画素数が少ないという特徴があり、同じ距離から撮影したとしても画像の鮮明度はかなり下がってしまいます。そのため運用には注意が必要です。

給電式照明ドローン


②捜索活動の補助

ドローンは要救助者の捜索活動においても力を発揮します。危険度が高く、人が立ち入れない災害直後の現場でもドローンは使用できるため、要救助者の早期発見が可能となります。ドローンは倒壊家屋やトンネルなどの狭い空間にも入ることができ、要救助者を発見した場合にはドローンをそのまま現場に停留させることで救助者の健康状態を遠隔地から監視することができます。加えて、要救助者を発見した場合、その位置情報をドローンから取得することでその後の救出活動に役立てることも可能です。このように、ドローンを捜索活動において使用することで、隊員の安全を守りつつ、より効率的な捜索活動を実施することができます。以下では、こうしたドローンによる捜索活動をより効果的にするドローン機能や搭載機器をご紹介します。

・赤外線カメラ・ナイトビジョンカメラ
 先ほども記載したように、これらのカメラは一般的なカメラでは撮影が困難な状況下での撮影を可能にします。赤外線カメラは熱源を感知するため森林の中や倒壊家屋の中などでの捜索活動に、ナイトビジョンカメラは周囲の光に依存せず映像を映し出すことができるため夜間や暗所での捜索活動に効果的です。

・投光器(照明)
 ドローンに投光器が搭載されていると視認性が向上するため、ドローン機体の位置を遠方からでも見失わずに任務を遂行することができます。また、要救助者にドローンの到着を知らせる効果もあります。照明に特化したドローンを使用すると、かなり広範囲を照らすことができるため地上で捜索活動を行う隊員の補助としても使用することができます。

・スピーカー
 スピーカーは要救助者への情報伝達手段として有効だと考えられます。地上からの声が届きにくい災害現場や、高い危険性のため隊員が入っていけない現場では、ドローンに搭載したスピーカーを使用することで迅速かつ的確な指示を行うことができます。この方法は要救助者だけでなく、隊員間の情報共有にも使用することができます。一方通行の発信になるためコミュニケーションを取ることはできませんが、◯✖️で答えてもらう、ジェスチャーで答えてもらう、などの方法を取ることにより、効率的な捜索活動が可能となります。

赤外線カメラの温度差・熱源感知


最後に

今回のコラムでは風水害・土砂災害におけるドローン活用についてお話ししました。後編コラムでは引き続きドローン活用法の解説を行い、活用例の紹介も行います。後編コラムもぜひご覧ください。



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