ドローンスクールの講習料金の謎を解明!

ドローンスクールの講習料金には大きな差があります。その理由を分かりやすく解説します。

まず初めにドローンスクールは国土交通省の管轄のもと運営を行っていますが、価格については各講習団体(スクール)に委ねられています。もちろん講習内容に関しては国土交通省の告示に定められた項目をしっかり講習する必要があります。

講習内容が一律、もちろんその成果である資格もどこで取得しても同じ。なのになぜこんなに価格の高低差があるのか。

このコラムではその謎を解明していきたいと思います。

  1. 受講スタイル

受講スタイルが料金に大きな影響を与えます。実は講習機関の実地講習人数は概ね5人が目安となっています。これはあくまで国土交通省が制限をかけているのではなく講習機関の設備など環境を鑑みると5人までが現実的であろうという記載になっています。従ってスクールによって1人の講師に対して受講者が何人であるかは講習機関次第となっています。では各スクールがどのようなスタイルで講習を行っているか、そしてそのメリットデメリットを解説していきたいと思います。以下のようなスタイルがあります。

マンツーマン講習スタイル

メリット

  • 講師と受講者が1対1で、長時間実機での飛行訓練が可能となり、比較的高い技術を身につけて修了できる。
  • 丁寧な指導を受けることができる。

デメリット

  • 受講料金が高く設定される。

複数人同時講習スタイル

メリット

  • 友人や会社の同僚と一緒に受講できる。
  • 講師1人に対して複数人の受講者を指導するため、コストパフォーマンスが良くなり、受講料金が低めに設定される。

デメリット

  • 実機とシミュレータを併用した講習になることがあり、実機操縦の時間が短くなりやすい。
  • 講習中に苦手な飛行練習ができず、追加費用を支払って補講が必要な場合がある。

合宿講習スタイル

メリット

  • 短期間でライセンス取得が可能。
  • 短期間のため講習料金が安い。
  • 友人や会社の同僚と一緒に受講できる。

デメリット

  • 朝から夜まで座学と飛行訓練を行うため、ゆっくり学べない。
  • 屋外講習の時に雨天だった場合の対応が難しい。
  1. 団体の違い

日本全国には1000校を超えるドローンスクールがあり、民間団体も多く存在します。例えば、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、DJI JAPAN株式会社などがあります。それぞれの団体で方向性や操縦訓練の内容が異なるため、講習料金にも差が生じます。

  1. 企業努力

各スクールの企業努力も料金に影響します。技能を重視するか、料金を重視するかによって、講習の内容や料金設定が異なります。

最後に

受講料金の高低差について説明しましたが、スクール選びの判断材料にもなります。過去に弊社で受講された方で、複数人同時講習スタイルのスクールで受講したものの、技能面で不安を感じ、弊社で再度マンツーマン講習を受けたという事例もあります。安いからダメというわけではありませんが、スクール選びの際には、どのようなスタイルで行っているのかを事前に確認しておくことが重要です。実際に通ってみないと分からない部分もありますが、受講する側としては、より良い資格を取得したいと思うのは当然です。趣味であっても仕事であっても、ドローンを飛ばすには安全・安心に飛ばせる知識や技能が必要です。ライセンスを取得したからといってプロ級ではなく、スタート地点に立ったにすぎません。新しい情報収集や練習を積み重ねてこそ、ドローン上級者に成長していきます。

川崎 雅幸(かわさき まさゆき)

二等無人航空機操縦士
ドローン導入アドバイザー

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