これからドローンを始める方へ

これからドローンを始めたい、始めようと考えている方へ。なぜドローンを始めようと思いましたか?趣味、業務上の必要性、起業、一つでも多くの資格を取得したいなど、理由は様々かと思います。夢や希望を持っている方も多いでしょう。今回は、かなり現実的な内容になります。ですが、ここで諦めるようであれば、ドローンに関わることは辞めておくべきでしょう。

現実1:お金の話

ドローンを飛行させるためには、多くの手続きが必要です。詳しくは、過去のコラムにも掲載しているので、知りたい方は目を通してみてください。そもそもドローンを飛ばしたいと思った理由は様々かと思いますが、どこまで本気でドローンに関わっていくのかで、費用の使い方や方向性が変わってきます。資格を取得してドローンを購入するためにどれくらいの費用が必要かご存じでしょうか。資格取得を前提として進めていきますが、民間資格・国家資格のどちらを選ぶのか最初の選択がこの段階でやってきます。今後のことを踏まえると国家資格を選択する方が良いでしょう。国家資格を取得することを決断したら次に、一等なのか二等なのか選択を迫られます。ここで重要なのが一等と二等の違いを理解した上で選択することです。「一等を取得した方が何かと便利だし!」と言う方もいます。否定はしませんが、二等の資格よりも一等は講習時間が長く、講習費用も高くなります。これはどこのドローンスクールでも同じです。費用はスクールによって違いますが、一等初学者で約80万円強、一等経験者で約40万円、二等初学者が約40万円、二等経験者で約20万円程度が相場ではないでしょうか。まず、この金額を聞いてどう思いますか。高いと思ったはずです。私も高いと思います。ドローンは資格が無くても申請し許可承認を得ることが出来れば飛行可能です。

あなたならどうしますか。資格を取得して飛行させるのか否か。どちらが正しいか間違いかではなく、安全安心にドローンを扱っていく意識があるかどうかです。ドローンの事故に関する記事も併せて読んで頂ければと思います。現在、国家資格取得者数は一等二等含めて約22,000人と言われており、約20,000人が二等資格を取得しています。一等に比べ二等は資格取得費用が安く、実地講習内容も比較的優しめです。それだけが理由ではありませんが、二等の資格で概ねのことがカバー出来てしまうという部分が一番の理由だと思います。

話を戻して、二等初学者でスクールに通うとして40万円の出費としましょう。中々の金額を初回から使用しますが、次に必要になってくるのがドローンの購入です。産業機か一般機なのかで変わります。仕事で使用するために赤外線カメラ付きの産業機を選択したとして約120万円が必要。この段階で約160万円の予算が投入されています。撮影したデータを解析するためにソフトも必要になってきますので、解析ソフトを約40万円とした場合、約200万円の費用を投資することになります。ここまで想像した時に「高いから止めておこう」となるのか、「このくらいの経費であれば一年間の人件費やその他の費用と比較しても2年目以降からプラスに転じるから積極的に導入しよう」となるのか。会社にとって将来的に利益を生み出し、省人化や業務効率アップに繋がれば成功といえるでしょう。

現実2:自問自答

なぜ始めようと思いましたか。ドローンを扱うことが無ければ、正直全く必要のない資格です。ですが、これからドローンを始めたいと思っている方の覚悟や本気度は如何ほどなのか、今一度自問自答してみてください。資格を取得しなくてもドローンの購入は可能です。飛行も当然可能です。その先に見ている景色は何なのか、どのような目的のためにドローンを扱おうとしているのか。仕事にするならば資格取得は必須です。車の場合でも無免許の方に配達の仕事を任せることはしないのと同じです。案件取得の条件としてライセンスの有無を問われることもあるので、今後ライセンス取得は当たり前の環境になるでしょう。

現実3:今後のドローン

ドローンの世界は思っている以上に難しく厳しいということ。今後、法改正されドローンの操縦には必ず資格が必要となった場合、趣味であっても資格が無ければ無免許となり処罰の対象となります。ルールが緩くなるというより資格取得した方が優遇されるルール変更になる可能性が高いです。国家資格と機体認証機がその例になるかと思います。そして、時間が経過する毎に資格取得の難易度も上がっていきます。資格以外にもドローン関連のインフラ整備も進むと思いますし、機体に関しても比較的安価でハイスペックなドローンもリリースされると思います。仕事はもちろん日常生活の中にもドローンが欠かせない存在になる可能性もあります。私の思いとしては、車と同じくらい普及して欲しいと思っています。

最後に

ドローンを取り扱うにあたり、まだまだ世間的にオモチャのラジコン感覚を持たれている方々が多いと思い、今回少し厳しい内容の記事を書きました。軽い気持ちだったり、何も知らなかったりでは後戻り出来ない事象が発生する可能性もありますし、ドローンを扱うにあたっての覚悟も必要だと思っています。当然資格取得の段階で高額な費用を投資する訳なので相当な覚悟だと思います。まだまだ一般的とは言えないドローンですが、今後の可能性は十分に秘めています。安全安心の飛行のために正しい情報と知識、そして覚悟が必要です。操学舘ドローンスクールでは、覚悟を完全サポート出来る体制を整えています。必要であればオリジナルメニューを組み立てて講習を行うことも可能です。消防局への訓練や地元企業への講習実績なども積み上げてきました。まだまだ経験値を積み上げていきたいので、ドローンを扱う側として新しいことにチャレンジしたいと強く思っています。


川崎 雅幸(かわさき まさゆき)

二等無人航空機操縦士
ドローン導入アドバイザー

新着コラム

ページトップへ戻る
LINE 友だち追加する