現在、ドローンは様々な場所で活用されつつあり、産業・経済・社会に大きな革命をもたらすことが期待されています。
ただし、これを実現するには、同時に多数の無人航空機が操縦者の目視範囲を超えて、自在に飛行できる技術が必要となります。今回は実際に行われている取り組みの一部についてご紹介します。
無人航空機の運航管理システム(UTM)
ドローンの多数機同時運航を実現するには、無人航空機の運航管理システム(UTM)が必要です。このUTMとは、新しい交通管理・管制システムのことです。対象区域におけるすべての無人航空機・有人航空機の飛行情報や、気象、建造物などの関連情報を収集し活用することで、多数の無人航空機が同一空域を安全かつ効率的に運航できるようにします。
これにはJAXAも開発に関わっており、運航管理システムの全体統計を担っています。他の研究機関とも連携しながら開発を進めていますが、JAXAがに担っている具体的な任務は以下の3つです。
1.運航管理コンセプトの定義
多数の無人航空機が操縦者の目視範囲外で運用される状況で、空域の安全や利用効率などの要件を満たせるような運航管理の方法(運航管理コンセプト)を定めます。
2.運航管理システムのアーキテクチャ設計
上記の運航管理コンセプトを実現するために、運航管理システムのアーキテクチャ及びインターフェースを設計します。
3.運航管理シミュレータの開発及び運航管理コンセプト/システムの評価・検証
多数の無人航空機の運航を模擬できるシミュレータを開発し、運航管理コンセプトや開発したシステムの有効性を評価・検証します。
こうした取り組みの中で、今度はJAXAが行っている災害対応に関する取り組みついてご紹介します。
未来への取り組み 災害対応でのドローン活用
まずは、通信プラットフォームについてご紹介します。
・D-NET
JAXAが災害対応・危機管理対応を行う、通信プラットフォームです。省庁等と連携しながら研究開発を実施しており、災害や危機管理時に各防災機関の活動を一元的に管理することを目的としています。
このD-NETは2024年1月に発生した能登半島地震の技術支援で実際に活用されましたが、情報共有体制や無人機自体の機能・性能などにおける問題が明らかになりました。これらを含めた課題の解決を目指して、以下の新しい事業が2つ実施されています。
・DORE:災害・緊急時等に活用可能な運航安全管理システム及び小型固定翼無人機システムの研究開発
・MASARO:災害・緊急時に活用可能な小型VTOL無人機システムの研究開発
これらの事業では、有人機・無人機の統合的な管理を行う運航安全管理システムの研究開発、長時間・長距離の飛行が可能となる小型無人機システムの研究開発が行われています。
さらにJAXAでは、災害・緊急時及び警備警戒において、有人機・無人機が連携して安全に任務を遂行することを目的に、以下3種類の運用モデルが設定されています。
・警備:有人機及び無人機を運用する機関に対し、特定の省庁が一元的な統制・調整を行うためのモデル
・災害:災害対応を行う有人機及び無人機の運用調整に関する、中央政府各省庁と自治体間の相互連携を可能とするモデル
・遠隔地:無人機に対して、有人機あるいは地上指揮機関からのリアルタイムな任務指示を可能とするモデル。遠隔地における災害・警備において通信環境の制約から現場判断が主となるため、特定の有人機が現場で無人機の指揮を執る形態
まとめ
このように、未来に向けドローンの多数機同時運航に関する様々な取り組みが実施されています。
本スクールは災害対応特化型ドローンスクールとして、災害対応者向けのドローン運用を積極的に支援しております。気になることがございましたら、ぜひご相談ください。
