近年、看板の落下や倒壊による事故が全国で相次いでいます。これらの原因は看板の老朽化だと考えられています。実は、こうした事故を防ぐための取り組みの一環としてドローンが注目されています。今回はその概要に加え、操学舘ドローンスクールで行っている活動についてもご紹介します。
屋外広告物
看板の中でも、常時又は一定の期間継続して屋外で公衆に表示されているものを屋外広告物と言います。現在、この屋外広告物の異常を早急に発見するため、安全点検の実施が推奨されています。地域によって取り組みは違いますが、今回は操学舘ドローンスクールが位置している兵庫県を例にご紹介します。
屋外広告物の安全点検実施要網
兵庫県では屋外広告物の倒壊や落下による事故を未然に防ぐため、「屋外広告物の安全点検実施要網」が制定されています。これは、以下2つの特徴のいずれにも該当する屋外広告物が対象となっています。
- 設置から概ね10年以上が経過しているもの
- 屋外広告物の上端が地上から高さ4メートルを超えているもの
「屋外広告物の安全点検実施要網」では、これらの特徴が該当する屋外広告物に対し、許可の更新や申請の際に実施する安全点検が定められています。
では、点検内容について詳しくご説明します。点検の対象となる箇所・項目は以下の通りです。
| 点検箇所 | 点検項目 |
| 基礎部・ 上部構造 | 1.上部構造全体の傾斜、ぐらつき 2.基礎のクラック、支柱と根巻きとの隙間、支柱ぐらつき 3.鉄骨のさび発生、塗装の劣化 |
| 支持部 | 1.鉄骨接合部(溶接部・プレート)の腐食、変形、隙間 2.鉄骨接合部(ボルト、ナット、ビス)のゆるみ、欠落 |
| 取付部 | 1.アンカーボルト・取付部プレートの腐食、変形 2.溶接部の劣化、コーキングの劣化 3.取付対象部(柱・壁・スラブ)・取付部周辺の異常 |
| 広告版 | 1.表示面板・切り文字等の腐食、破損、変形、ビス等の欠落 2.側板、表示面板押さえの腐食、破損、ねじれ、変形、欠損 3.広告板底部の腐食、水抜き孔の詰まり |
| 照明装置 | 1.照明装置のゆるみ、不点灯、不発光 2.照明装置の取付部の破損、変形、さび、漏水 3.周辺機器の劣化、破損 |
| その他 | 1.付属部材(装飾、振れ止め棒、鳥よけ等)の腐食、破損 2.避雷針の腐食や損傷、避雷針取付部の異常 3.その他 |
「屋外広告物の安全点検実施要網」では、これらの場所に対し「標準点検」と呼ばれる点検を実施しなければなりません。この「標準点検」とは、屋外広告物の概ね60センチメートル以内に近づき、広告物等の外部および内部等に対して、目視・触診・打音などの検査を行うものです。高い位置にある屋外広告を点検する場合、この要件は安易ではありません。場合によっては、高所作業車や足場等を用いる必要があります。
ドローンの有効性
ここで活躍するのがドローンです。ドローンはスペースや高さを選ばず作業することができます。高所作業車や足場等に比べて手軽に作業することが可能なため、コストの大幅な削減にも繋がります。ドローンからの映像だけで正確に点検できるのか不安に思われる方もいらっしゃると思いますが、ドローンの映像はかなり鮮明なものになっており、安全に点検することが可能です。
操学舘ドローンスクールで実施している取り組み
こうした場面でドローンを活用していただくため、操学舘ドローンスクールでは看板業界関係者の皆様を対象に、DJI産業機実演研修会を実施しました。

本イベントは産業におけるドローンの実用性をアピールするという目的のもと、DJI認定ストア大阪 深空株式会社のみなさんと共同で開催いたしました。未経験の方にもドローンを最大限活用していただけるよう、盛りだくさんな研修会を実施いたしました。
イベント内容
最初に、機体の説明とデモフライトを行いました。ドローンでどのようなことができるのか実際に見ていただきました。

その後、参加者の皆様には実際にドローンを操縦していただきました。

最後は、ドローンの基礎知識についての講習会を行いました。

最後に
操学舘ドローンスクールはドローンの有効性を多くの方に知っていただけるよう、努力してまいります。気になることがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください🔥
