初心者から上級者へドローン操縦技術の向上方法

操縦技術向上方法 3選

ドローン業界に入って早くも3年目を迎え、多くの受講者の方々と接してきました。最初から上手な方、高齢の方、熱心に練習を重ねて上達された方など、さまざまな方がいらっしゃいます。私自身も入社当初、ドローン操縦士回転翼3級(DPA)の講習を受けました。センサー類が付いていない、常にマニュアル操作で機体を安定させる必要のあるドローンで講習を行いました。DPAの特徴でもあるのですが、操縦の難しい機体で講習を行うことで、高い技術力を身に付けることができるカリキュラムです。最初は、如何にしてフラフラしている機体を安定させるのか、対面状態になった時のスティック操作が逆になることの戸惑い、機首がどちらに向いているのか分からなくなり混乱するといった経験をしました。

その1:空間認知

ドローンを飛ばした時、近い位置で飛行させている時は分かるけれど、少し離れた場所に移動した時に、思っている場所と大きく違うことが発生します。空間認知、空間把握とも言いますが、その能力が高いと、自身で思い描いている場所通りの空域での飛行ができます。ドローンを飛行させるにあたり非常に重要な能力です。練習を積み重ねることも大事ですが、頭の中でイメージすることが重要です。私が行っていた練習方法としては、飛行させる場所にドローンを置き、自身の立ち位置から見た時の場所を把握し、実際に飛行させて着陸させる。そうすることで、ドローンを置いて見た位置と実際に飛ばして着陸した時のズレを確認する訓練をしました。

その2:対面飛行

自分と同じ方向を向いている時は扱いやすいのに、対面や左右に向けた途端に操作ができなくなる。スティック操作が対面の場合、逆になるので頭で分かっていてもどうしてもできない!なんてことがよくあります。私も四方向ホバリングの時は非常に苦労しました。しかし、機首がどこに向いていても操作できる技術を身に付けていないと、いざという時に対応できず事故に繋がる可能性があります。実機で練習もしていましたが、疲れてくると集中力が途切れ、ネットに引っ掛けて機体にダメージを与えてしまいます。そこで有効な練習ツールがシミュレータです。シミュレータでの練習は、いくら機体を落としてもダメージはなく、実機と操作も近いので技術の向上に繋がります。トイドローンを使った練習も脳内の処理能力を高めるという点では効果的かもしれません。

その3:八の字飛行

前進と旋回を同時に入力しながら飛行させる形態です。これが簡単そうでなかなかできません。モード1とモード2でスティック操作が変わります。モード1の場合、左スティックのみで前進と旋回操作を行うのに対し、モード2の場合は、右スティックで前進、左スティックで旋回操作を行います。私はモード1で操作しますので、左スティックのみで操作し、微調整程度に右スティックで左右移動を加えるスタイルで飛行させています。コツというわけではないかもしれませんが、円を描いていく飛行になるので前進と旋回の感覚を掴み、できるだけスティック操作をしないように固定させることを意識しています。初めはどうしても前進⇒止まる⇒旋回⇒前進⇒止まるを繰り返します。でも最初はそれでいいのです。徐々に前進しながら旋回を入力し、円を描けるようになっていきます。次に訪れる課題として、ホームポイント上空から切り返して円を描いていく。八の字飛行の最後の難関だと個人的には感じています。上手く時計回りができたけれど、切り返して反時計回りのタイミングで左旋回になるため、前進スピードが速くなってしまったり、旋回が強すぎて内側に入り過ぎたりしてしまいます。この時のコツとしては、ホームポイント上空に到達した時に機首が正面を向いていること。そうすることで、前進の意識よりも旋回への意識に集中できるようになります。どうしてもイメージと違う飛行経路だと修正する意識となるため、スティック操作が乱れやすくなってしまいます。大体の方が旋回を強く入力する傾向にあるので、思っている以上にゆっくり旋回する意識が必要です。また、空間認知が苦手な方になると機首方向が分からなくなり、ホバリング状態から動けなくなる場面も見てきました。シミュレータの練習も効果的ですが、機体を手で持って飛行経路を歩いてみて、どの位置によって機体の見え方が変わるのかを頭の中で記憶し、イメージと照らし合わせながら飛ばしてみるのも良いかもしれません。

最後に

操縦技術向上方法を紹介しましたが、ドローン操縦は難しいイメージを与えてしまったかもしれません。実際にドローン操縦は難しいです。しかし、難しいという意識を持つことは大事だと思っています。車の運転と同じで、自信過剰になってしまったり、目視確認をしなくなったり、慣れてきたころに事故を起こしてしまうこともあります。ドローンも全く同じです。飛行前点検を充分に行っていても、やはり機械なのでトラブルが発生してしまうこともあります。初心を忘れずに意識し続けることでスキルも上がりますし、緊急事態が発生したとしても落ち着いて対処することができます。簡単と思われがちなドローン操縦ですが、難しいからこそ技術が向上した時、その価値を得られる事が出来ます。

これからドローン資格を取得したいと考えている方、既に資格を取得したけれど苦手な飛行形態があるという方、操学舘ドローンスクールでは無料シミュレータを完備し、徹底した1on1指導で丁寧なサービスを提供しております。実地講習でよく見る風景のお悩みも解決に導く力を持っています。

川崎 雅幸(かわさき まさゆき)

二等無人航空機操縦士
ドローン導入アドバイザー

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