ドローン革命、今どこまで来ている?

― 業界の現在地を探る ―

かつて「未来の技術」として語られていたドローンは、今や日本国内でも着実に社会実装が進みつつある。だが、華々しいイメージとは裏腹に、現場では地道な技術開発と制度整備が続いており、業界全体が「実用化フェーズ」に入ったとはいえ、課題も少なくない。

■ 市場は拡大中、だが一足飛びではない

2024年度の国内ドローンビジネス市場は4,371億円と推定され、前年比13.4%増。2025年度には4,987億円に達する見込みで、2030年には1兆円を超えると予測されている。
この成長は、点検・測量・農業・物流など、産業用途での導入が進んでいることが背景にある。

特にサービス市場(点検・農業・建設など)は2,295億円と最大規模を誇り、今後も拡大が見込まれている。機体市場や周辺サービス市場もそれぞれ成長しており、ドローンポートや保険、メンテナンスなどの関連ビジネスも活況だ。

■ 技術は進化、でも「万能」ではない

2024年には、20~30kgの重量物を運搬できる機体が登場し、建設現場や農業分野での活用が広がっている。また、屋内の狭所空間での点検用ドローンも普及し始めており、従来の人手では困難だった作業の代替手段として注目されている。

しかし、ドローンは万能ではない。風や雨などの気象条件、バッテリーの性能、飛行許可の取得など、運用には多くの制限が伴う。特に都市部での目視外飛行(レベル4)には厳しい認証制度があり、実用化には時間とコストがかかる。

■ 社会実装は進むが、課題も山積

点検分野では、送電網や鉄塔などのインフラ点検にドローンが活用されている。一部企業では、自社設備の点検ノウハウを外販する動きも見られる。農業では農薬散布が定着し、林業では苗木や資材の運搬にも使われ始めている。

一方で、法制度や安全性、操縦者の育成など、社会実装に向けた課題は依然として多い。技能証明制度や型式認証制度の整備は進んでいるが、現場での運用には慎重な対応が求められる。

■ ドローンは「夢の技術」ではなく「現場の道具」

ドローンは、もはやSFの世界の話ではない。だが、夢や希望だけで語るべき技術でもない。現場で使える「道具」として、地に足のついた視点でその可能性と限界を見極めることが、今後の発展に不可欠だ。

2025年現在、ドローン業界は確かに前進している。だが、その歩みは着実であり、決して急進的ではない。技術と制度、そして現場のニーズが噛み合ったとき、真の「革命」が起こるのかもしれない。

課題が山積みであると先述しましたが、ドローンを開発するのは人であり、ドローンを飛行させるのも人である。高性能なドローンが開発されたとしても、その機体を操縦出来なければ意味がありません。続いて「人材」という課題にスポットを当てていきたいと思います。

ドローン人材が足りない!

― 今求められるスキルとキャリアとは? ―

ドローンの活用が広がる一方で、現場では「人材不足」が深刻な課題となっている。点検、測量、物流、農業など、ドローンが担う業務は多岐にわたるが、それを支える人材の育成は追いついていないというのが現状です。

■ 企業の36.8%が「推進人材の不足」を課題と認識

パーソルビジネスプロセスデザインが実施した「ドローンとMaaSに関するユーザー調査2025」によると、企業の36.8%が「社内で推進する人材の不足」を課題として挙げている。また、スキル不足に対しては「人材育成」(35.0%)や「人材紹介・派遣」(27.9%)への期待が高まっており、外部支援へのニーズが顕在化している。

■ 国家資格の取得がキャリア形成の鍵に

2022年12月に導入された「無人航空機操縦者技能証明制度」により、特定の飛行には国家資格が必須となった。2025年12月には民間資格による飛行申請の簡略化措置が廃止される予定で、今後は国家資格が事実上のスタンダードとなる。

国家資格には「一等」「二等」があり、特に一等資格を取得すれば、有人地帯上空での補助者無し目視外飛行(レベル4)も可能になる。これは災害対応や物流、インフラ点検などの高度な業務に従事するための重要な条件となる。

■ 求められるのは「操縦+α」のスキル

操縦技術だけでは不十分な時代が来ている。建設業界ではCADや写真測量、農業分野では精密農業の知識、映像制作では高画質撮影や編集スキルなど、「操縦+専門技術」の組み合わせが求められている。

また、ドローンを活用した業務は副業やフリーランスとしても成立しやすく、空撮、イベント撮影、農薬散布などの分野では個人事業としての需要も増加している。

■ 教育機関とスクールの役割

全国には国土交通省認定の登録講習機関が多数存在し、国家資格取得に向けた講習が提供されている。スクールによって点検や農業といった得意とする分野もそれぞれ。操学舘ドローンスクールでは、消防局に向けた技術提供を得意としている。2024年10月には、兵庫県立広域防災センターにて、日本で初となるシナリオ型訓練を、豊中市消防局のドローン隊「KITE」の隊員に向けて実施した実績があります。

■時間と予算

国家資格を取得する為には、登録講習機関での講習を受けるか、指定試験機関の試験に合格しなければなりません。スクールに通う為には、時間と予算が必要となります。中々、時間と予算を割く事が出来ない法人様も多いのが現状です。以前にもコラムで書かせて頂いておりますが、スクールによって取得までの日数や費用は異なります。講習日数については、最短取得を謳っているスクールもありますが一長一短。費用面に関しては、助成金を活用し負担を軽減する事も出来ます。まずは、通い易いスクールを選んで説明会に参加して頂く事をオススメします。


■ 結論:ドローン人材は「育てる」時代へ

ドローン業界は急速に成長しているが、それを支える人材の育成はまだ道半ば。操縦技術だけでなく、法制度への理解、専門分野との連携、そして国家資格の取得が、今後のキャリア形成においてスタンダードとなるでしょう。

「ドローン人材が足りない」という現実は、ドローンの歴史がまだまだ浅いということも起因していると思います。日常生活において自動車と違いドローンは、急成長しているもののまだまだスタンダードな存在に位置していない。成長産業の一歩を踏み出し始めた段階です。どうすれば良いのか分からないという法人様もおられるかと思います。我々ドローンスクールに従事しているスタッフも皆様と同じく発展途上にありアップデートを繰り返しながら最新のサービス提供を心掛けております。まずは、お近くのドローンスクールに問い合わせてみましょう。

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