ほんとにあったドローン事故
2024年1月から10月までに報告されたドローンによる事故件数は80件を超えています。事故原因の大半は「飛行経路周辺の確認不足による接触」です。国土交通省のホームページには事故報告一覧が掲載されており、事故機体から理由、改善策まで確認することができます。
事故が増えている事は決して良い事ではありませんが、それだけドローンに対して価値や重要度の高さを感じている方が多くなってきている事だと思います。安全に飛行させる為にも、何が原因なのか知っておく事で回避能力も向上します。飛行計画を考える際に、起こりうるトラブルや危険を事前に想定し同行する補助者と連携を取れるようにする事も大切です。
事故発生事案ワースト3
1位:農薬散布
2位:点検
3位:空撮
1位の農薬散布中に発生している事故の理由は、圃場上にある電線に気付かずに接触し墜落または断線する事案が圧倒的に多いです。ドローンを操縦したことがある人ならイメージできると思いますが、操縦者は機体を目視することに集中しているため、視野がかなり狭くなってしまいます。そのため、ドローン周辺を把握することが困難な環境にあります。操縦者以外に補助者を付け、危険が及びそうな時など無線等を使用し飛行を停止できる状況を作ります。電線に接触する部分については、事前に飛行計画を構築する際に現場確認を行うことで回避できたと思われます。事前に確認を行っていても事故は発生してしまいます。操縦に慣れた時に、普段は行わないような飛行方法をさせたり、横着して飛行させたまま近距離を移動したりすることがあります。散布機は、空撮用ドローンに比べかなり大型のドローンの部類に入ります。また、農薬を積んで飛行するため、より危険度が増しています。国家資格や民間資格だけでは散布機を飛行させることができません。機体が大きいため、飛行練習場所に困る場合もあるかもしれません。
2位の点検ですが、外壁・ソーラーパネル・橋梁点検で出番が増えている分、事故報告も比例して増えています。建物に接近しすぎて接触、野鳥に衝突、電波が途絶し制御不能、バッテリー残量確認不足、バッテリーやプロペラの取り付けが不十分で飛行後に取れてしまい墜落などが報告されています。散布と違う部分は、飛ばす現場環境が建物や人に近いということです。第三者との接触事故も農薬散布に比べて多いように感じます。
3位の空撮も趣味の部分で飛行させる目的が主だと思います。勝手なイメージですが、家電量販店で購入し箱から出して飛ばしてみたものの、風で煽られる、電波干渉、初期設定不足で墜落するパターンも多いと思います。そういった場合、事故発生時は通報することも知らないため、未報告事故案件も発生していると思います。さらに怖いのはドローンが山中やダム底に墜落した場合に未回収状態で放置されていることです。あえて罰金や懲役の説明は控えますが、報告・回収は義務です。別のコラムでも述べましたが、「知らなかった」では済まされないことです。

最後に
予期せぬ事故から不注意、怠慢が招く事故まで様々です。扱うものが違えど、事故が発生する経緯や理由は車やバイク・自転車と同じです。事故を完全に無くすことは不可能でしょう。全て機械制御になったとしても不可能だと思います。ただ、ドローンを扱う人たちが普段から意識しておくだけで事故は減らすことができます。過去には、有人飛行機にドローンが接触する事故の発生や空港周辺でドローンの電波をキャッチし飛行機の離陸が遅れたりすることも発生しています。モラルや常識的観点の欠如がもたらすトラブルもあると思います。一見飛ばしている姿を見て仕事なのか趣味で飛ばしているのか判断が難しいところがあります。一般販売されている小型ドローン(iPhoneより大きい)で第三者上空を飛行させることは不可能なので、発見したら警察に通報してください。そして、できるだけ飛行しているドローンから離れるようにしてください。
期待を寄せられる一方で事故や危険なことも発生しているドローン。何かの流れでこのコラムに辿り着いたあなた。少しドローンに関しての情報を調べてみてください。知っておいて損なことはないと思いますよ。

川崎 雅幸(かわさき まさゆき)
二等無人航空機操縦士
ドローン導入アドバイザー