ドローンってそもそも必要?

必要とされる場面を徹底紹介!!

ドローンが一般的に普及してから10年ほど経過しました。日常生活の中で、実際に飛行している場面や、テレビで空撮された田園風景や人が踏み入ることができない場所の映像を見る機会が増えたと思います。まるでCGで作られたような迫力満点の撮影が可能になったドローン。近年では一般販売されているドローンも小型化され、持ち運びしやすい機体が人気を集めています。まだまだ空撮というビッグワードが先行しているドローン。確かに空撮をする道具には間違いありませんが、あなたの知らないドローンの世界を少しでもご紹介できればと思います。このコラムにたどり着いたあなたは、ドローン業界に一歩足を踏み入れていますよ。

先に結論からお話します

ドローンは現代社会において必要不可欠な存在です。その理由とどのような場面でドローンを使用するのかシーン別にご紹介したいと思います

農薬散布

説明会に来られる方のアンケートで、資格を取得しどの業界でドローンを使用しますか、に対して「農薬散布をしたい」という回答が多いです。恐らく空撮の次くらいに出てくるワードとしてこの農薬散布が出てくるのではないでしょうか。少し話は脱線しますが、国家資格の取得だけでは、農薬散布ドローンを扱うことはできません。農薬散布機ごとの操縦操作講習を受講する必要があります。理由は、メーカーごとに操縦操作が異なるということ。また、農薬は危険物になり、ドローンに危険物を搭載し飛行させるので、危険物輸送の講習が必要です。加えて散布する行為が、物件投下と言われるのでそちらの訓練も必要になってきます。危険物輸送・物件投下は、カテゴリーⅡAに該当し飛行ごとの許可承認が必要になります。

ドローンによる散布は注目されていますが、注目されている理由は何なのか。それは、『作業効率』にあります。当然機体・操縦経験・天候による効率のばらつきは出るかと思いますが、1分で300坪(1反)の散布が可能と言われています。人間が噴霧器を使用して300坪を散布するのに約1時間程度。ドローンで甲子園球場(4,450坪)を散布した場合約15分、噴霧器だと約15時間かかります。年々農家を営む方々が減少傾向にあり、ドローンを使用して新しい農業の形を構築し発展してほしいです。ちなみにマルチスペクトルカメラを搭載したドローンを使用することで、作物の生育状況を把握・管理することもできます。

ソーラーパネル・外壁点検

農薬散布の次くらいに多いのが、点検にドローンを使用したいという声です。赤外線カメラで外壁の浮きやソーラーパネルの発熱を見ることができるため、作業効率が上がり正確なデータ収集ができるので注目されています。ソーラーパネルや外壁以外にも、橋梁、送電線、鉄塔など様々な場面で使用されており、注目を集めています。

害獣駆除

こちらに関しては多くはありませんが、一定数の声を聞いてきた害獣駆除。農作物の被害額は、令和5年に農林水産省が発表しているデータでは、全国で164億円、被害面積は41,000ha、被害量は51万トンになります。イノシシ、シカ、クマによる野生鳥獣からの被害を受けています。ドローンを使った駆除方法としては、動物が嫌う音声データをスピーカーから流しながら飛行したり、猟師が動物の居場所を把握するために使用したりしています。また、赤外線カメラやナイトビジョンカメラを搭載し、野生動物の侵入経路や行動を把握し罠を仕掛けるといった対策を講じたりしています。罠を仕掛ける費用も膨大になるため、効果的にコストも抑えられるようにドローンを使用するケースがあります。

ドローンショー

ここ数年、世界的にドローンショーの開催が頻繁に行われるようになりました。夏の花火大会やカウントダウンイベントなどで見られるようになりました。数百、数千機のドローンを一斉に飛行させ、文字や模様、QRコードを表現し、実際に読み込むことも可能にした新しいエンターテインメント事業として発展しています。点検や測量といったビジネスの分野だけでなく、エンタメとしても一般的に認知度が上がればドローン業界も盛り上がりを見せると思いますし、関わる人が増えることで新たなサービス誕生の可能性も秘めています。コンピュータで制御されているので、あらかじめ飛行形態をプログラミングし飛行させます。操縦技術というよりは、プログラミングの知識や企画開発力が必要な分野だと思います。

物流

2022年12月に改正航空法が施行され、レベル4飛行(有人地帯上空での補助者なし目視外飛行)が解禁され、物流が大きく変わると期待されています。しかしながら社会実装まではまだまだ遠く、本格的に実装するためには、乗り越えるべき壁が多いと感じています。一番は第一種型式認証を取得すること。レベル4

飛行に対応するための安全性能はもちろん、飛行時間や積載重量も大事です。離島への配送や災害時での物資運搬で大きく活躍が見込まれるので、これからの物流ドローンにぜひ注目していただきたいと思います。

最後に

空撮以外にも活躍の場を広げているドローン。新たな機体がリリースされれば新たなサービス展開も誕生する可能性が秘めています。エンタメ分野に入ると思いますが、近年ではドローンレースも世界各地で開催されており、日本のドローンレースチームが優勝もしています。子供から大人まで参加可能な世界です。もしかすると数年後にオリンピック競技の種目となる時代が来るかもしれません。もっと身近なところで言うと、トイドローンを使用した子供向けのプログラミング教室が開かれることが増えました。教材としても使用され、徐々にドローンが身近で触れる機会が増えました。空撮のイメージが強いドローンですが、特性を活かし適材適所で活躍の場が拡大しています。産業の中に導入するメリットとしては、省人化・効率アップが目的。産業機は性能が高い分、費用も高額になります。高額さ故に諦めてしまうケースも多いと思います。ドローンの出し処があり将来的に利益が生まれる部分があれば前向きに検討するべきだと思っています。ヒトからAIやロボットに代わっていくと言われ、その時代が到来しています。動き出しの速さで他との差を大きくする可能性があります。夢を語るのは個人的に好きではありませんが、少しの変化で大きな変化を生むのは事実。時代の流れに乗れるなら乗るべきですよね。そのお手伝いをさせていただくことが我々の役目でもあります。お困りごとがあれば操学舘ドローンスクールへお問い合わせ、説明会へご参加ください。

川崎 雅幸(かわさき まさゆき)

二等無人航空機操縦士
ドローン導入アドバイザー

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